【臨時号】日本の蓄電池産業の再生と市場拡大はできるか~経済産業省「蓄電池・電源産業戦略」を読みとく

経産省が6月2日、「蓄電池・電源産業戦略」を改訂した。全固体一本足打法を修正し、定置用蓄電池やAIデータセンターまで射程を広げた点は前進だ。しかし世界の主戦場——LFP/LMFP、ナトリウムイオン、資源精製・リサイクルの閉ループ——を戦略の中核に置けていない。S字カーブで動く2026年の競争構造に対し、前提認識が2020年以前に固定されたままだ。
飯田哲也(イイダテツナリ) 2026.06.07
読者限定

臨時号や号外は全て無料公開。見逃さないため、ニュースレター登録(フォロー)をご活用ください。

0.はじめに

この記事は無料で続きを読めます

続きは、11429文字あります。
  • 1.経産省戦略の「前進」をまず認める
  • 2.LFPは「安い電池」ではなく、電化社会の標準電池になった
  • 3.ナトリウムイオンが消えた国家戦略
  • 4.全固体偏重は、ベースロード神話の蓄電池版である
  • 5.この10年で激変した市場シェア:中国0%→72%、パナソニック38%→3.4%
  • 6.「中国過剰供給」論はS字カーブを理解しないがゆえの過ち
  • 7.精製技術が武器になった:中間プロセスの空洞化
  • 8.リサイクル目標70%では国際水準に届かない
  • 9.日本はどこを取るべきか
  • 10.おわりに
  • 参考資料・出典

すでに登録された方はこちら

読者限定
シン・オール電化その3:再エネ電力の温熱利用——産業熱の大転換(低温プ...
読者限定
シン・オール電化その2:再エネ電力の温熱利用——民生用の温熱革命とデン...
読者限定
シン・オール電化の時代へ——直接電化の原理
読者限定
見せかけの発送電分離──未完のまま放置された日本の電力システム改革
読者限定
【ホルムズ危機特別号 その11】「原油危機」ではなく「ナフサ危機」だっ...
読者限定
統合コスト神話の解体──電力経済学から読み解く
読者限定
【速報・特別号】ベースロード神話の崩壊、第2章 ── IRENAが告げ...
読者限定
【ホルムズ危機 号外その10】IEAが80カ国を追跡した「政策対応トラ...