発電しなくても2兆円もらえる──容量市場はなぜ生まれ、なぜ日本で倒錯したか

新刊「Ei革命」解説シリーズ。第5章 その4。前号で「頭出し」した容量市場を今号で歴史から徹底解剖する。1990年代の電力自由化が生んだ「ミッシングマネー問題」、英国での「規制の虜」事件、ドイツが選ばなかった理由、そして国会を素通りして作られた日本型容量市場という倒錯の全経緯。年間2兆円規模が動くこの仕組みで、誰が得をし、誰が損をするのか。
飯田哲也(イイダテツナリ) 2026.04.27
読者限定

当面、全回無料公開。新着を逃さないため、ニュースレター登録(フォロー)をご活用ください。

前回(2026年4月20日号)では、電気を「使う側」から「動かす側」に変える技術革命──VPP(仮想発電所)とプロシューマー──の全体像を概観し、その実装を阻む制度として容量市場の問題を提起した。今号ではその歴史的来歴と制度的構造を深掘りし、「なぜこの倒錯が生まれ、なぜ続くのか」を解剖する。そして触れたとおり、この制度には驚くべき来歴がある。制度の核心は経産省の省令とOCCTOの業務規程で決まり、国会では実質的に議論されないまま、年間2兆円規模の仕組みが静かに動き出した。

この記事は無料で続きを読めます

続きは、12204文字あります。

すでに登録された方はこちら

読者限定
統合コスト神話の解体──電力経済学から読み解く
読者限定
【速報・特別号】ベースロード神話の崩壊、第2章 ── IRENAが告げ...
読者限定
【ホルムズ危機 号外その10】IEAが80カ国を追跡した「政策対応トラ...
読者限定
2兆円を突破した日本の容量市場と、深化する世界の容量メカニズム
読者限定
電気を「使う側」から「動かす側」へ──電力民主化の最前線と「容量市場」...
読者限定
【ホルムズ危機 号外9】「目詰まり論」では道路渋滞さえ解消されない──...
読者限定
分子は国旗を気にしない——ペルシャ湾の炎と、ベルリンのベランダ
読者限定
【ホルムズ危機 号外8】最大の危機は「危機感の欠如」