なぜ今「Ei革命」なのか?〜10年で激変した世界の可視化
本ニュースレターでは、データと現場の視点から世界の激変を可視化し、日本が選ぶべき針路を提示します。第1回は「Ei革命」をテーマに、当面は全内容を無料で公開します。
飯田哲也が、国内外の最新データと現場での実践にもとづいて、エネルギー転換の「いま起きていること」を吟味し、深掘りしてお届けします。当面は無料公開です。新しい回を見逃さず、必要な情報をできるだけ迅速に受け取るために、ぜひ下記ボタンからニュースレター登録をご利用ください。
1) 「電気が足りない」は、いまや“20世紀の神話”になった
「電気が足りない」という言葉は、日本のエネルギー議論の“常套句”になりました。
けれど世界は、再エネ×蓄電池×EV×電化が同時進行で引き起こす**“ありあまる電気”**を前提とした、新しいエネルギー文明(シン・オール電化)へ突き進んでいます。にもかかわらず、なぜ日本だけが「足りない」という神話にとらわれ、文明史的な大転換から取り残されているのか——。本連載は、その問いを真正面から扱います。
ここで強調したいのは、「足りる/足りない」は単純な発電量の話ではない、ということです。
いま問われているのは、“電気をどう賢く使うか”——つまり電力システムの知性(インテリジェンス)です。
2) 10年で、世界はここまで変わった(図0-2の読み方)
この10年の変化を、まず“数字”で掴みましょう。
太陽光:世界の太陽光発電は、2014年の設備容量約180GW(電源シェア0.8%)から、2024年には約2250GW(同8.5%)へ。約12.5倍です。EV:世界のEV販売は、2014年の約33万台(新車販売比0.4%)から、2024年には約1750万台(同22%)へ。約53倍。系統用蓄電池:2014年(ここでは2010年基準でも同様)から2024年にかけて、蓄電池は約100倍規模で増え、2024年時点で約240GW/1.0TWhに到達しています。この3つが同時進行で走り出したとき、何が起きるか。
答えはシンプルで、電気が安くなるだけでは終わらない。
「いつでも同じ電気を作って流す」旧来モデルが揺らぎ、代わりに、電気を貯め、融通し、需要と供給を同期させる賢い電力システムが前提になります。
だからこそ、本連載の入口は「図表で世界の激変を可視化する」ことから始めます。議論を“感想戦”から引き剥がし、現実へ戻すために。
